以前、仮面に命を吹き込むワークショップというものに参加したことがあります。
真っ白な土台となるお面に様々な素材を持ち込んでデザインしていくのですが、これがとても面白いんです。
このイベントのコンセプトは自然と暮らしを結びつけて自分事として捉えられるかでした。
身の回りの素材で仮面を作り、その過程で自然をどのように見つめ直すか、仮面を装うことで何を感じるか、探っていくことがこのワークショップの目的です。
古くから祝祭や儀礼で用いられる仮面は、「自然と一体になる」「人が人ならざるモノへ変身する」媒介となって来ました。仮面ライダーなどのレンジャーものはまさに人ならざるものへの変身ですよね。
このワークショップは10人ほどの参加者がいて、みなさんそれぞれ多種多様な職業とキャラクターの素敵な方達でした。
私がこのワークショップで一番面白いなと感じたことは、それぞれが作り上げた仮面を見て、仮面でありながらその人「らしさ」が出ていた事です。何よりも面白いのが、そのことに気がついたのが自分自身ではなく周りの人たちだったという事です。
「仮面」と聞くと本心や素性を隠すためのものというイメージを持っていた私は、みんなが作った仮面を見て新たな発見をしました。
その人が作り出すものには、自分でも気が付かない「その人らしさ」が出るということです。
このことが私はとても興味深く面白い!と感じます。
自分自身のことは自分が一番よくわかっていると思っていましたが、「仮面」という作品を作ることで客観的に自分を見ることになりました。
私って思慮深い人間だと思っていた節があるのですが、私が作った仮面を見た時に「この仮面作った人って物事深く考えないで能天気そう」と感じたのです(笑)
自分でも気がついていなかった、自分の一面を見た気分です。
それは人によっては嬉しい発見かもしれないし、またある人にとっては落ち込む発見かもしれません。
私の場合は自分の完成した自分の仮面を見たときに、嬉しくもあり、落ち込むものでもありました。どちらが良い悪いではなく、その時の感情こそが自分を知る上で大事なものなのです。
それは自分の思う自分と周りから見た自分は違うのかもしれないという客観的な視点に立てるからです。自分の弱点と強みを同時に知ることになるかもしれません。でも、弱みも強みも全部含めて「自分」というものを形成しています。
自分が弱みだと思っていることは、他の人からしたらポジティブに捉えられているかもしれません。逆に自分が強みだと思っている部分は他の人からしたらどうでもいい部分かもしれません。
何かを作るという行為は、意識的にも無意識的にも自分自身を投影することなのかもしれません。言語化できない思いを色や形、素材を使って表現していくのです。
そして、何よりも作っている間は意識が制作物に向かいます。意識を向けて手を動かすということは普段の自分のマインド(思考)から解放されてある意味、瞑想状態になるようなものです。ストレスが軽減され代わりに達成感や心地良さを味わいます。
創作とは自分を表現しつつも、自分から意識を離す行為でなんとも面白い活動です。
私はこの仮面のワークショップを参考にして自分なりに新たな仮面のワークショップをしてみたいと思いました。
自分の知らない自分を知りたい、何かを生み出して表現したいと思う人がいれば是非一緒に創作を楽しみましょう。
近々ワークショップを企画しますので、こちらで告知させていただきます。
ご興味ある方は是非ご参加ください。
仮面を通して自分を知る

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