ベビーシッターで子供から教えてもらった面白い本。その中に、脳の仕組みを利用した面白いトリックが紹介されていました。ちょっとした面白ネタでしたが、これは役に立つとピンと来るものがありました。
どんな面白ろネタかというと、
①両手の指を組んで人差し指だけ突き出します。
↓こんな感じ
②人差し指と人差し指の間を見つめると…不思議と指が引き合ってくっつきそうになります
この時に「くっつくなー!」と思うと、指がくっつくスピードが速まります
逆に「くっついてもいいよ〜」と思うと、指がくっつくスピードが遅くなります
みなさん、やってみましたか?
どうでした?
このトリックをきっかけに、私はこの原理って望むように生きていく上で大事なヒントではないかと感じました。
ポイントは脳に伝える「言葉掛け」です。この言葉掛けを行うことで、今までうまくいっていなかった事柄がスムーズに進み出します。
人生を逆転させる言葉掛けとは?
人生が逆転できる言葉掛けってなに?!って思いますよね。
結論から言うと、
「否定ではなく肯定する言葉」を使う
ということです。
どういうことか具体的に例を出してみます。
「痩せなきゃ」→「健康的で引き締まった体になる」
「痩せなきゃ」という言葉には「今の自分の状態ではダメ」という自分を否定する意味が含まれます。
「痩せなきゃ」と思い、ダイエットをはじめても中々成功しないのはよく聞く話です。一時的に成功したとしても、すぐにリバウンドをして逆に益々太りやすい体になってしまったり…。
そこで、痩せるにはこのような言葉を使います。
「健康的で引き締まった体になる」
「痩せなきゃ」と思うより自分のなりたい状態がイメージとして頭に浮かびませんか?
このイメージが大事なんです。イメージできると、自然とダイエットが成功していくのです。
私はお腹がぷよぷよだった頃、「痩せたい」と思い、毎日歩いていました。それなのにお腹はぷよぷよのまま(涙)。そんな時、本だかテレビだかで「理想の体をイメージすると効果が出る」というような話を聞きました。そこで私は「引き締まっていてうっすら腹筋の筋が入っているお腹」をイメージしながら毎日歩き始めました。
すると、3週間で本当に引き締まってうっすら腹筋の入るお腹になったのです!(涙)今まで変化がなかった体に、イメージした途端に変化が訪れたのです。
実はこれ、脳のメカニズムが関係しています。
ベビーシッターで気づいた子供の脳の仕組み
ちょっと話が変わりますがここで、否定言葉はかえって悪影響が出るという体験をお話させてください。
私はベビーシッターのお仕事がきっかけであることを知りました。それは、「子供は否定言葉が通じにくい」ということです。
例えば、お散歩をしていて急に走り出した幼児に対して「走っちゃダメ!」とか「走るな」と言葉をかけたとします。結果はまぁ、止まってくれません。全力で追いかけて行って引き留めることがしばしば。私はこのことでどうしようか悩んでいました。そして色々調べたところ、「子供の脳は否定言葉を理解しずらい」という文献が目に留まりました。
どういうことかというと、
「走っちゃダメ」→「走る」「それをしたらダメ」
と、否定の言葉は要素が二つなります。まだ未熟な幼児の脳は瞬時にこの掛け声を処理できず、最初に浮かんだ「走る」だけを思い浮かべてしまうのです。その結果、「走っちゃだめ」と言ってしまうと子供の中では「走る!」と指令が出てしまい、注意しても走って行くという現象が起きるのです。
それは、「子供が言うことを聞かない」のではなく、脳が否定言葉を理解できないことが原因だったのです。
では、どうすればいいかというと、
「ストップ!」と一言で言葉をかけるか、「歩こう」と伝えるのです。これだと言葉の要素は1つですね。それでも理解できない場合は道路標識を見せて「このマークを見たら止まる」など「視覚」から教えます。
そう、つまり脳がイメージできるものを伝えることが大事なのです。
大人にも否定言葉はデメリット
子供にとって「走るな」は「走る」ことを強化してしまう。でもこれは子供に限らず大人にも言えることなのです。
もちろん大人の脳は否定言葉を理解することはできます。ただ、言葉の意味は理解できても「強調される言葉」が頭に残ることは幼児と変わらないのです。
例えば、
「痩せなきゃ」→「痩せないとダメ」→「痩せない」が強調され頭に残る
「成功しなきゃ」→「成功できないとダメだ」→「成功できない」が強調され頭に残る
「結婚しなきゃ」→「結婚しないのはダメ」→「結婚しない」が強調され頭に残る
このように大人であっても意識していることと脳に焼き付いてしまうことは真逆になってしまうのです。
そこで冒頭でお話したように、望むことを実現させるには肯定する言葉を使っていくのですが…
大人の脳はいろんな体験をして賢くなっています。
例えば、
「痩せなきゃ」(「痩せていない自分はダメ」)→「健康的で引き締まった体になる」に言葉を変えても、脳は納得しません。
だって、今まで痩せれなかったのに急に「引き締まった体」と言い聞かせても、「無理かも…」と思考が引き止めてきます。頑張ってイメージしてやり始めても、なかなか痩せない自分の体を見ては「やっぱ無理なんじゃ…」とめげてしまう。痩せたい!と強く思っている人ほどうまくいかないのは、「痩せねば!」と言う強い思いが、イメージする力を邪魔しているから。
では、どうすればいいのか。
言葉掛けを2段階で行うのです。
言葉掛けは2段階で行う
否定ではなく肯定する言い方に変えればいいのかというと、そう単純でもないというお話をしました。
そこで、まずやることは「受容する言葉を自分に掛けてあげること」です。
STEP1:受容する言葉掛け
まずそもそも、なぜ「痩せなきゃ」と思うのでしょうか。
今の容姿では恥ずかしいから? 仕事に支障が出るから? 愛されないと思っているから?
いずれにしろ、「今の自分ではダメ」という自分のありのままを否定する意識が働いています。これは恐れや不安から来る心理です。恐れや不安というものは強い感情です。
極端に言えば、「今のままでは愛されない」という恐れ。この気持ちのままダイエットを始めたとします。イメージでは「健康的で引き締まった体」を思い浮かべながら、脳の他の部分では「痩せないとダメ!」という声がしています。
ここで冒頭でお話した手遊びトリックの話を思い出してください。
「くっついちゃだめ」と考えると指がくっつくスピードが速くなりました。
反対に、「くっついてもいいよ」と受容する言葉を考えると指がくっつくスピードが遅くなりました。
この脳の働きが、何事にも使えるのだとしたら。
「痩せないとダメ!」と考えていると「痩せない」現象が起きます。強い恐れから一時的に痩せたとしても、ちょっとしたきっかけでリバウンドしてしまう可能性が高いと思うのです。
反対に、「今の自分の体のままで問題ないよ」と自分を受容すると、恐れや不安が薄まり安心します。この安心感がとても大事なのです。
ここで大事なことは、どんな状態・状況であれ、今の自分を「これが私だ」と認めて、その事実を受け入れることです。
「痩せていない自分でOK」
「痩せなくてもいいよ」
「今のままで問題ない」
「太ってる自分でOK」
など、今の状態を全受容する言葉を自分に言ってあげてください。
どうしても今の状態が認められないのであれば、「認められていない自分」を「それでいい」と受容します。
「太った体を嫌っている自分でOK」
「自分の容姿が気に入らないと思ってても問題ない」
このように、自分のこと、自分が考えていることは全て「それでいいよ」と、肯定してあげてみてください。
「このままの自分じゃダメだ!」と思っている時より、だいぶ肩の力が抜けて緩む感覚を味わってください。
ここでは「自分を安心させる」ということが大事です。
なぜ安心させることが大事なのか。
頭の中で「痩せなきゃ!」という不安や恐れの思考が働くと、「健康的で引き締まった体」をイメージする力が弱くなってしまいます。脳の中で「痩せる」「痩せない」の綱引きをしている状態です。だからまずはこの不安や恐れからくる「痩せなきゃ」という思考を黙らせる必要があるのです。そのためには「今の自分を全肯定する言葉掛け」をして思考を落ち着かせることがとても大事なのです。
本人は恐れや不安から「痩せなければ人生が真っ暗」と思い詰めていたりします。側から見たら理解しづらいですが、本人の悩みはそれほど重いのです。この強ばった状態をほぐすには痩せるための努力ではありません。「痩せない人生でもいい」と覚悟することです。だって一番恐れているものが「痩せない人生」だとしたら、それを受容してしまえば恐れは逃げ去ります。
すると、本来なりたいと思っている姿をイメージする力に邪魔が入らず、イメージが持続するのです。
思えば、私が引き締まったお腹になれたのは、特に「痩せなきゃ!」とは思っていなかったからです。ぷよぷよのお腹より引き締まったお腹の方が「かっこいい!」と思っていたので、素直にイメージができたのだと思います。
STEP2:どうなりたいかだけを毎日イメージし続ける
さて、今の自分を需要して肯定できたら、次のステップはどうなりたいかを毎日イメージすること。
「痩せなきゃ」→「健康的で引き締まった体になる」という肯定的な言葉で目標を設定します。
例えばそれが、「お金を稼がなきゃ」「結婚しなきゃ」なら…→「天井が高くて窓の大きい、周りを緑に囲まれた一軒家で家族とゆったり暮らす」など、なんでお金を稼ぐのか?なんで結婚したいのか?その理由を具体的にイメージ
するのです。
イメージした時に心が明るくなったり、嬉しい気持ちになったり、安らぎを感じたりすることを思い浮かべます。
思考の邪魔が入らず、イメージすることができれば行動は自然に伴います。そしてこれは毎日5分多く歩く、というような小さな行動でいいのです。
ここのステップで大事なことは「毎日」一瞬でもイメージして、「毎日」小さな行動を続けること。
小さなことをコツコツと継続させる。なりたいことを実現させるために一番大事なことです。
ふと気がついたら幸せに生きている
脳は現実と空想の判断がはっきりできません。(意味としては理解できるけど)
あなたがなりたい理想の人生を毎日思い描きながら過ごしているのは、脳にとってはすでに理想を生きていることと変わりはないのです。もちろん、今目の前の現実と理想の現実には違うところがたくさんあるでしょう。でも、ふとした瞬間に自分の日常に理想の人生を感じられる時があります。
ベランダのハーブや野菜に水やりをしている時間
眠る前に焚くアロマの匂い
洗い立ての心地よいシーツの肌触り
お気に入りのカップとお皿で休憩しているひととき
新鮮な食材を使って作った料理を味わうとき
どんな場所であれ日々、五感を通して理想の人生を感じることはできるのです。そして、この「感じる力」と「イメージする力」が合わさった時に、理想の人生に向けてやるべきことをやる力が湧くのです。
ダイエットの例で言えば、
姿勢良く歩いている自分を感じたとき
健康的な食事を心がけているとき
少し頑張って階段を使っているとき
表情に自信が出てきたとき
日々発見できることはたくさんありますね。
人生を逆転させる方法、なんて言うと、すぐに全てが一変するような期待をしてしまうかもしれませんが、やることはものすごくシンプルで地道な日々の積み重ねです。そしてそのベースがしっかり整っていれば、理想を実現させるために頑張るパワーも出てくるのです。そして、この日々の積み重ねの良いところは、理想の人生にまだなっていなくても毎日幸せを感じられるというところです。
364日しんどくて、365日目にやっと望みが叶って幸せを感じるよりも、
364日毎日それなりに幸せで365日目に望みが叶ったら、それはそれで幸せ。
こっちの方が幸せを感じている時間は長いですよね。
物凄いことをしなくても、今までの人生を取り返そうと思わなくても、今いる状態で幸せを感じる力を身につけた方がずっと早く理想の人生になっていくと思う今日この頃です。
You Yubeでもお話ししてます♪
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