どん底の体験こそ人を進化させる

アメリカでは時給4000円のアルバイトでも人が集まらないそう。日本でもホテルや観光地、飲食店では特に深刻な人手不足でアルバイトの時給が2000円でも集まらないところも。私の近所の飲食店も時給1500円でアルバイトを募集しているけど、募集の貼り紙がずっと貼ってあるから人は集まっていないのだと思う。

私の学生時代と比べて、働く環境もハラスメント的なことも時給も諸々待遇は良くなっているはずなのに、人手不足。少子化だけが問題じゃなくて、資本社会構造が長年不健全で働く意味も楽しさも奪ってしまったのかもしれない。

だけど、働かない人は生活費ってどうしてるんだろう？

①親
②生活保護
③お金のかからないサバイバル生活
④株や仮想通貨
⑤パパ活や売春
⑥闇バイト

①と②以外は普通に働くよりキツそう。

働いていても働いていなくても、その人自身が幸せで満ちているなら何も問題はない。
大切なことはどんな時代であれ、体験を通した自分の心の成長だと思う。それを得れるのであればどんな生き方でもいいと思う。

上場企業に正社員で勤めていても、何の成長もなく惰性で日々生きている人もいる。
だから、働く人（形式上）や上場企業が素晴らしいなんて1mmも思わない。
働いていなくても、結婚や出産、育児を通して大変な体験をして心を成長させる人もいる。逆に結婚や出産をしても成長しない人もいる。

だから条件で何が正しいというものは何一つない。

私はベビーシッターの仕事をしているからわかるのだけど、人の生活は大差ないのです。ものすごくお金持ちのご家庭、普通のご家庭、平均より貧しいご家庭。さまざまなご家庭を伺ったけど、やることはみんな同じ。食事を作り、掃除をして、子供を育てる。起きて寝て、新しい日を淡々と過ごす。本当にみんな同じなんです。もちろん生活費や娯楽にかけるお金、通わせている学校の教育費などには差があるけど、それで「幸せ」は量れない。それが心の成長には影響しない。

タワーマンション最上階の景色も3日も続けて見れば感動は薄れて、それが当たり前になります。（私は3分で飽きました）
高級料理も一口目の感動はどんどん鈍くなり、食べ続ければそれがいつもの料理になります。
ブランド物の衣類も意識していない時はただの布です。

そうすると、
お金を稼ぐ意味も、ステータスのある生活をする価値も無くなってきたとき、人は何に喜びを感じるのか。

それは体験を通した心の成長、意識の拡大だと思うのです。いくつになっても、どんな状況でも、自分を進化させていくことが生きる喜びだと思うのです。

では、どんな体験が心を成長させるのか。

それは、「嫌な体験」です。

人は心身に負荷がかからないと心を鍛えることはできません。その負荷とは、「嫌だな」と思うような体験です。

例えば、

パートナーと不仲になったり
病気をしたり
仕事で打ちのめされたり、責任を負わされたり
友達が去って行ったり

このような体験はできれば避けたいもの。
常に順風満帆で思いのまま人生は進んでいって欲しいものです。だけど、それでは人の心は進化しません。望まないような出来事が起こるから、自分の行動を省みる、自分の至らなさと向き合わざるを得ない機会がやってくるのです。この体験を通して、心が成長せざるを得ないことを実感します。問題を解決するには自分が変わることが最善であると気がつくのです。

受け入れ難いこともあるでしょう。何年も苦しむかもしれません。でも、この問題を自分で乗り越えられたなら、自分の成長を実感することができます。それは何よりもの喜びで、人生をよりよく生きていくための知恵を与えてくれます。

私も恋愛関係では心がズタボロになるほどの悲しさや悔しさを味わったことがあります。（今でもトラウマ！）
ベビーシッターのお仕事では定期的にトラブルやショックなことが起きます。

その時はショックだし、不満も持ちます。でも、一つ一つ逃げずに向き合って対処していくことで、自分の心が鍛えられていることを実感するのです。私はそのことが何よりも喜びで、だからこそ仕事を続けていられるのだと思います。もちろん人間関係も！

このように、自分を進化させるのに面倒な人間関係や仕事というものはもってこいのツールなのです。

私も楽な人生を歩みたくて、誰かに依存したり仕事をしない時期がありました。現実逃避とも言えますね。
このことは私をつまらなくさせました。私は弱り、生きる力を失いました。自業自得です。この経験があるから、楽な道はつまらないし結果メンタルをやられると思うのです。

私が仕事をする意味は自分の成長が楽しいからです。
傷ついてもまた新しい人と関係を作る意味は自分の心が成長できるからです。

今の時代は嫌な思いもそうそうする機会もないでしょう。

ステイタスも、お金も、意味がなくなる時代。
そして、嫌な思いもする必要がなくなる時代は、
心の動きや意識の変化をどう作るかが大切になってくると思う今日この頃です。